皆さんこんにちは。中年です。
皆さん、植物やってますか?
塊根に沼ってますか?
中年は、沼っています。
植物に手を出し始めた人が一度は憧れを抱く、塊根の王様ことオペルクリカリアパキプス。ついに手を出してしまいました。2023年4月に輸入業者に予約をし、8月20日に現物が自宅に届きました。その時の画像がこちら。
興奮しました。今まで怖くて手に持ったことすらないあのパキプスが、中年の目の前にあります。そして、ついにこの固体に触れることができました。芽吹いてはいませんでしたが、ゴツゴツした表皮も緑がかっていて、重さもある。重さを測ってみると、1104gでした。
まずこの株の情報ですが、これは「山採り株」です。オペルクリカリアパキプスの輸入の状態は、大きく分けて二つ。「山採り株」と「現地発根株」です。この二つの違いは、
この違いがあります。では、何が違うのかというと、「新鮮さ」と「値段」です。山採り株は、山から業者が取ってきて、ナーセリーに届くまで、何日経っているかわかりません。そして、そのナーセリーでも何日どんな状態で放置されていたかもわかりません。そして、それを根が切られた状態で日本に輸入し、私たちの手元に届きます。簡単に言えば、「山で採取されてから、何日間どんな状態で放置されていたか分からない株」ということです。それに比べて「現地発根株」は山から取ってきてナーセリーにきた時点で、一度土耕や水耕で発根管理がされており、生きている状態が保たれています。それを日本の業者が購入する際に、根が切られて日本に送られてくる。単純に「つい先日まで根が生えて元気に生きていた」という株が、「現地発根株」になります。これが、「新鮮さ」の差になります。そしてそれに伴って「値段」が変わります。当然ですが、現地発根株の方が高額で取引されます。なぜなら、ご存知の通り、このオペルクリカリアパキプスは新鮮さが命であり、発根に大きく影響するからです。
通常「山採り株」の日本での発根率は2割前後と言われています。10本買って2本発根できたら上出来。「現地発根株」で5割から6割。プロがやって7割前後という感じです。発根管理の仕方も「土耕」という土に埋めて発根させる方法と、「水耕」という水に漬けながら発根させる方法があります。まだまだ謎が多く、どのやり方が正しいのかは分からないのが現状です。
そんな中スタートする発根管理。中年もさすがに勉強しました。どの方法がいいのか、何を使うといいのか。今回は、中年の発根管理スタイルと、活用した備品を紹介していきたいと思います。
まず、パキプスの発根管理に必要な環境設定から紹介します。パキプスの発根管理に取って大事な条件が、「温度と湿度の管理」です。その温度と湿度を保つために購入したのが、家庭用ビニールハウス。
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まずは家庭用ビニールハウスです。パキプスはマダガスカルという暑い地域で生息しています。そして発根には高い気温と湿度が必須です。その温度と湿度を保つためにまず必要なのがビニールハウスです。
そして次はハウス内の温度を保つパネルヒーターです。
昭和精機工業 パネルヒーター 250W(Eサーモ付) SPE-250
これを使うことによって、ハウスの中の温度を一定に保つことができます。パキプスの発根管理の場合、大体30度から34度ぐらいが良いとされています。必ず「サーモスタット付き」を購入してください。パネルヒーターは室内を温める役割。緑のサーモスタットは決められた温度を保つために電源のオンオフを自動で管理してくれます。
そして次は、鉢の中の温度を保つレンズヒーターです。
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これはカメラのレンズを温めるヒーターですが、これを鉢に巻き付け、鉢の中の温度を高めます。マジックテープ式になっており、小さい鉢なら問題なく巻けます。中年の鉢はギリギリだったので、落ちないように養生テープでヒーターと鉢を固定しています。温度設定は3段階で、中年は常に「高/H」に設定しています。いろいろ勉強する中で、何より大事なのが「鉢の中の温度」です。常に鉢の中を30度から34度ぐらいを保つことが大事になってきます。
そして、温度と湿度を管理する温度計
ThermoProサーモプロ 湿度計 デジタル温湿度計 室内温度計湿度計 顔マーク おしゃれ 最高最低温湿度表示 高精度 おしゃれ コンパクト 見やすい マグネット付き 梅雨対策 卓上 冷蔵庫 TP50
これをハウスの中に置き、常に温度と湿度を確認できるようにします。
そして鉢の中の温度を測る温度計。
シンワ測定(Shinwa Sokutei) 育苗用温度計 V-2 72610
これを鉢の中に差し込み、常に鉢の中の温度を確認します。
これである程度の環境が整います。
そしてこれからは、株が届いてからの処理に必要なものを紹介します。
まずは、ベンレート。
住友化学園芸 殺菌剤 GFベンレート水和剤 0.5g×10 園芸 植物 病気 薬
ベンレートは殺菌剤で、うどんこ病、灰色かび病、菌核病など広範囲のカビ性の病気などの治療と予防の効果があります。まず株が届くと、このベンレートを溶かした水で殺菌します。そこで株に付着している菌を取り除き、きれいな状態にします。発根管理中の水やりにも使うので、使いにくいですが大きめサイズを買うことをオススメします。
住友化学 殺菌剤 ベンレート水和剤 100g
そして次は、オキシベロン。
バイエルクロップサイエンス 植物調整剤 オキシベロン液剤 500ml
オキシベロンは「発根促進剤」です。ベンレートで消毒をした後は手根をカットし、このオキシベロンに漬け込み、発根を促します。パキプスを植える前に必要な過程になります。
そして次は、メネデール。
メネデール 活力剤 メネデール 500ml
これは、「活力剤」でパキプスを植えた後は、このメネデールとベンレートを混ぜた水をあげて行きます。朝晩の水やりに必要なので、発根管理にはかなりの量のメネデールが必要になってきます。中年は500mlをあっという間に使い切り、こちらのサイズを再度購入しました。
メネデール 活力剤 メネデール 2L
そして最後は加湿器です。
これは、どんなものでも良いとは思いますが、中年は家に余っていた加湿器を代用しました。とにかく、ハウス内の湿度が70%以下にはならないように加湿が必要です。正直、中年は湿度が90%以上になっても気にせず加湿し続けています。
これである程度の環境は整えられます。
そして中年は今回、土耕での発根管理を選択しました。理由は、水耕でやる自信がなかったから。そしてカビや腐らしてしまうんじゃないかという不安があったこと。最大の理由は、水耕から発根しても、最終は土に戻していかないといけないこと。それならもう初めから土耕で行こうじゃないか!と思い、土耕でのチャレンジにしました。
使った土は「蝦夷砂」
蝦夷砂 約10L【小粒】
パキプスを土耕で発根管理する場合は、蝦夷砂です。他の物でトライしている方もいましたが、今回はオーソドックスな蝦夷砂を選択しました。
これである程度の準備は整いました。ここからは、株が届いてからの具体的な手順です。
まずは、株を丸ごとベンレート2000倍希釈の水で洗います。
枝の部分もチャプチャプかけ、全体を消毒してあげます。この時はブレビカウレ(えびす笑い)も一緒に浸かっていますがお気にせず。10分ほど浸けた後、主根のカットに入ります。
カットした断面はこんな感じ。色は悪くないので、良さそうです。断面が黒いと、もっと上からカットしていかないといけません。カットした後はオキシベロンを40倍希釈した水に、24時間浸けていきます。
24時間後の手根はこんな感じ。
オキシベロンから出した後、乾かす人もいるようですが、中年はもう2時間後には植えていきました。植える前に必要なことは、枝のカットです。パキプスは枝から枯れてくることもあり、枯れている枝から中まで腐ってしまうことがあるそうです。これが怖い。なので、枯れていそうな枝は、思い切って落としていきます。ちなみに、「縦シワ」が入っている枝は枯れているそうです。少しずつ切り進めていき、青い生きている部分が見えてくるまで刈り込みます。
結構切りました。この枝がある樹形がキレイなのは百も承知ですが、枯れてしまったら元も子もありません。とにかく思い切ってカットしていきます。断面はこんな感じ。
生きている感じはあります。この枝をカットした断面にはダコニールを塗ります。ダコニールも殺菌剤で、カットした断面からバイ菌が入らないようにします。トップジンを塗る人もいますが、枝に浸透しやすいダコニールを今回は選択しました。
住友化学園芸 殺菌剤 STダコニール1000 30ml 園芸 植物 病気 薬
そして植えていきます。鉢はスリット鉢がオススメです。なぜなら、腰水管理をしていくので、スリットが入っている方が水が浸透しやすいからです。そして発根したかどうかも確認しやすい。
柴田園芸刃物 スリットポット CSM-150L MG モスグリーン
蝦夷砂を入れて、株を入れていきます。植えてから大事なことは「株を動かさないこと」。そのためにスタイロフォームと麻紐で株を固定します。
このスタイロフォームはホームセンターで購入したものですが、類似品を掲載しておきます。お近くにホームセンターがある方は、そこで揃う品物だと思います。
スタイロフォーム (普通目)小小サイズ(180×300×厚さ50mm) SF-11
これで完成。後は、100均で腰水管理用の受け皿と遮光シートを購入。遮光シートはハウスに設置し、株は受け皿に投入。こんな感じ。
鉢にレンズヒーターを巻き、外れないように養生テープで固定しています。マジックテープになっているのですが、鉢周りが長すぎてギリギリでしたので、ズリ落ちないように養生テープで固定しました。そしてこれからはメネデール100倍・ベンレート2000倍希釈の水で腰水管理をしていきます。そして朝晩の2回、同じ水を上からあげていきます。
パネルヒーターや加湿器、レンズヒーターなどの電源が必要になるので、電源確保は必須です。ちなみに紹介したレンズヒーターの電源はUSBになります。
いかがだったでしょうか。ここまで来れば環境整備の完成です。できれば夏の高温多湿の時期にできると温度・湿度管理が楽です。中年も8月21日に発根管理がスタートしましたが、10月の現在は朝晩寒いのでパネルヒーターは必須になってきています。
ぜひパキプスの発根管理に挑戦する方は参考にして頂けたらと思います。パキプスの現状についても随時Instagram(中年の小さな幸せブログ)に掲載していますので、そちらでも中年パキプスの様子を見ていただければと思います。
ちなみに発根管理48日目の10月8日現在の様子はこんな感じ。
芽吹いてきました。感動です。
芽吹いただけでは発根したかどうかはまだ不明ですが、枝が生えてくると発根の目安になります。
パキプスの発根管理は不安がいっぱいですが、もし「やってみたい!」という同志の方がいらっしゃれば、ぜひ一緒にチャレンジしてみましょう。中年のやり方も、何かの参考にして頂けたらと思います。
それではまた。
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